俺と妻のほのぼの激闘日記 自己紹介編ーその2ー

(前回からの続き)

すると、目印女性が振り返り、髪を振り乱しながら俺に向かって走ってきた。
俺は怖かった。ただただ怖かった。

俺の目の前に来た目印女性が
「すみません、HEPに行きたいのですが迷子になってしまい道が分かりません。教えて頂けませんか?」
とまさかの言葉。
俺は『目印がなくなった。ホテルはどこ?ここはどこなんだ!』と思いつつ目印なり損ない女性に
「俺も迷子なんですよ」
(スマホ画面のGoogle先生を見せながら)そう言った。

すると目印なり損ない女性は
「あっ、そうなんですか。じゃいいです、すみません。(お辞儀付き)」
と言って去ろうとした。
俺はとっさに思った『目印なり損ない女性は予想以上に若く、未成年かもしれない。ってか、こんな夜中に若い女性が独りで歩くなんてどう考えても危険だ!』
俺は変な使命感を感じて言った。
「待って!女性が独りで危ない。俺も一緒にHEP探すよ。」
目印なり損ない女性(以降、若い女性と呼ぶ)は、俺を警戒して
「あっ!いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
とにっこり微笑み、またしても去ろうとした。
変な使命感を持ってる俺は『俺って危険な男に見えるのだろうか』と思いつつも、すかさず若い女性に
「いやいや!本気で危ないから!」
と言った。
若い女性は俺の心配な気持ちを察したのか
「じゃあ、お願いします」
とにっこり笑った。

俺たち二人は、頼りないGoogle先生のマップを見ながら歩き出した。
そこから15分、トータルで既に1時間ほどさ迷っていた俺は『煙草吸いてぇ』と思いつつも、またしばらくさ迷った。
すると、若い女性が「煙草吸いたい」と聞こえるか聞こえないかくらいの声で、ポツリと呟いた。
俺は聞き逃さなかった…!
そして驚いて叫んでしまった「煙草吸うの!?」と。
『未成年にも見える女性がこんな夜中歩いて、しかも煙草を吸う。間違いなく可愛い系ヤンキーだな』と思いつつ、なにより、やっと煙草を吸えることが嬉しかったぁー。
若い女性は「吸いますよ」とサラリ。
更に「でも路上喫煙はダメですね」と残念そうに言ってきた。
既に吸いたいMAXくんとなっている俺は、携帯灰皿を取り出しビルの陰で「吸おう!」と言って、二人で煙草を吸い始めた。
俺は念のため若い女性に「未成年じゃないよね?何歳なの?」と聞いた。若い女性は「26歳です」と、またしてもサラリ。俺は『以外に歳くってる』と思った。

そこから俺たちは色んな会話を始めた。

(次回に続く)